【体重管理編】1.26kgからの増量計画|看護師が試行錯誤した「食」への介入

体重増加

7歳のトイプードル「マロン」をお迎えしました。食べムラが激しく、BCS1という痩せ型の犬です。

「マロンが痩せているのは、もともとの体質なのだろうか。それとも、何かケアできる原因があるのだろうか。」
お迎えして1週間。まずは客観的な診断を仰ぐため、マロンを連れて動物病院を受診しました。

1. 病院選びの基準と「過去のデータ」の分析

病院選びでは、以下の2点を重視しました。

  • アクセスの良さ: 1.2kg台の超小型犬にとって、移動のストレスは最小限にしたい。
  • 外科的対応の可否: 去勢手術や万が一の骨折(超小型犬に多いため)に備え、設備が整っていること。

受診にあたり、私はマロンの数少ない「過去の記録」を持参しました。

このグラフを見ると、生後7か月の1.5kgをピークに、11か月時点(1.4kg)ですでに減少傾向にあったことがわかります。獣医師からは「生後11か月の時点で骨格はほぼ成犬。もともと大きくならないタイプだが、7歳で1.26kgというのはやはり痩せすぎ」との見解をいただきました。

2. 栄養管理のアセスメントと目標設定

現在マロンが食べているのは『ロイヤルカナン 超小型犬 成犬用』。 「どこでも手に入る継続性」と「100gあたり405kcalという高カロリー設定」を理由に選んでいましたが、獣医師との相談の結果、改めて以下の数値目標を立てました。

  • 現状維持: 150kcal / day
  • 体重増加: 180kcal / day(フード量にして約30g〜37g)

私が当初立てていた目標(120kcal)では、マロンにとっては「足りない」状態だったのです。「思っている以上に食べさせなければならない」という、看護における栄養管理の難しさに直面しました。

3. 「食べてもらう」ための3つの介入プログラム

食べムラが激しく、集中力が続かないマロン。少しでも摂取エネルギーを増やすため、3つの工夫を実践しました。

① 鶏ささみとスープのトッピング

鶏ささみをレンジで加熱し、細かく裂いてフードに混ぜる作戦です。一緒にできた「鶏スープ」で水分と栄養の同時摂取を狙いました。

  • 結果: ささみだけを器用に選別してしまい、ベースのフード摂取量増加には繋がりませんでした。

② 温熱による嗅覚刺激

ドライフードを600Wのレンジで10秒ほど加熱。香りを立たせることで食欲を刺激しました。

  • 結果: 食いつきは若干向上。やはり「香り」は重要なインセンティブになると実感しました。

③ 確実な摂取を狙う「ハンドフィーディング」

看護の世界でいう「全介助」に近い形ですが、食べてくれるなら手段は問いません。1粒ずつ手から与えることで、フードをこぼすロスを防ぎ、マロンの食べるペースをコントロールしました。

  • 結果: 効率は一番良く、これが最も確実に量を稼げる方法でした。

4. 2か月間の経過報告|維持できたことを成果と捉える

工夫を凝らした2か月間でしたが、結果は「1.26kgの維持」。

平均して1日30gを食べさせるのが精一杯で、日によってはわずか6gしか受け付けない日もありました。体重を増やすことの難しさを痛感しましたが、一方で「減少させずに維持できた」ことは、今のマロンにとっては大きな一歩だと捉えています。

食事の工夫だけでは限界がある。 次に私たちが考えた介入策は、代謝やホルモンバランスに変化を与える「去勢手術」という選択でした。

なぜ、7歳のこのタイミングで手術を決断したのか。次回の記事で詳しくお話しします。

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