7歳のトイプードル「マロン」をお迎えしました。食べムラが激しく、BCS1という痩せ型の犬です。
食事の工夫を続けて2か月。体重維持はできたものの、目標の「増加」には届きませんでした。そこで去勢・抜歯をすることになりました。
ついにマロンの去勢手術と全抜歯が終わりました。 1.26kgという小さな体で挑んだ大きな手術。術後の回復過程を、看護師の視点で詳細にモニタリングしました。
手術当日のスケジュールと注意点
手術当日は、以下のタイムスケジュールで進みました。
- 12:00: 動物病院へ入室。
- 14:30: 執刀医より「手術無事終了」の連絡。麻酔の覚醒を待つ。
- 18:00: お迎え。
術後のケアとして、去勢の傷口保護には用意していた「エリザベスウェア」を着用。 また、口腔内は髪の毛ほどの細い糸で縫合されているため、「抜歯部位に負担をかけないよう、しばらくは柔らかいフードを」との指導を受けました。
術後経過(手術当日〜術後4日目まで)のまとめ
術後4日間、マロンの生体反応と活動性を表にまとめました。

手術当日の夜は、麻酔の影響や疲労が強く、飲まず食わずでひたすら眠っていました。
疼痛管理:鎮痛剤の「効果」を最大化する
処方された頓用の鎮痛剤は、マロンの体格を考慮し「1日1回」まで。
そこで、「食事の30分前に投与する」という作戦を立てました。
- 少量のペーストに鎮痛剤を混ぜて投与。
- 血中濃度が上がり、痛みが緩和される30分後を狙ってメインの食事を提供。
この結果、明らかにマロンの動きが良くなり、食欲も増進。
口腔内手術後のQOL(生活の質)維持において、内服タイミングの重要性を再確認しました。
水分出納のアセスメント:数値に現れない「水分量」を読む
マロンが自発的に水を飲み始めたのは術後3日目でした。
飲水量だけを見ると不安になりますが、私は以下の2点から「脱水のリスクは低い」と判断しました。
- 排尿が頻回にあり、十分な尿量が確保されている。
- ウェットフードを摂取しており、食事から水分補給ができている。
摂食行動の変化:歯がないほうが「食べやすい」?
驚くことに術後4日目には、自らドライフードを選択して完食しました。 「歯がないと食べにくいのでは?」という不安をよそに、グラグラした痛みや違和感がなくなったことで、かえって食欲が湧いたようです。
回復を支えた「栄養介入」の記録
術後のエネルギー確保のため、以下の2点を用意しました。
- ヒルズ a/d缶(回復期ケア): 薬が混ぜやすい滑らかなペースト。
- ロイヤルカナン ミニパピーウェット: 体重増加を狙い、高カロリーなパピー用を選択。

当初はペースト状のものが中心でしたが、回復とともに自力でしっかり噛めるドライフードへと移行していったのがわかります。
教訓:無駄になった道具と「選択肢」の重要性

「もし食べられなかったら……」と覚悟を決め、強制給餌用のシリンジやすり鉢、ふやかしたエサを準備していました。 しかし、マロンの生命力は飼い主の心配を軽々と超えていきました。
強制的に流し込まれるエサよりも、自分で選んで食べる喜び。 今回学んだのは、特定の「道具」を完璧に揃えることよりも、マロンの嗜好や状態に合わせて選べる「選択肢(オプション)」を複数持っておくことの大切さでした。
もう元気ですと言わんばかりの食べっぷり
去勢と全抜歯。大きな侵襲を乗り越えた小さな体には、私たちが思う以上の強さが備わっていました。 痛みの原因をリセットした今、ここからが本当の意味での「体重増加へのリスタート」です。






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