この記事は、これまでの体重管理・投薬記録とは少し違う切り口で、シニア犬と暮らす中で気づいた「認知機能」というテーマを扱っています。小型犬が痩せる・食べない原因と対処法まとめともあわせて読むことで、マロンの心身の状態をより立体的に知っていただけると思います。
我が家のマロン(トイプードル)は8歳4ヶ月。一緒に暮らし始めてまだ8ヶ月です。
保護犬や成犬でお迎えした飼い主さんならわかっていただけると思うのですが、「若い頃のこの子」を知らないと、今の様子が年相応なのか、それとも何か変化が起きているのか、判断がとても難しいんですよね。
マロンの場合、
- 夜中に一度だけご飯を欲しがる
- 以前より寝ている時間が長い気がする
といった、地味だけれど気になる様子がありました。「歳のせいかな」「性格かな」と流しそうになるレベルの、本当に些細な変化です。
でも獣医師さんに相談したことで、この「なんとなく気になる」を放置しないことの大切さを知りました。同じように「うちの子、最近なんだか変かも」と感じている方の参考になれば嬉しいです。
この記事でわかること
- 犬の認知機能不全症候群とはどんなものか
- 見逃しやすいサインとセルフチェックの方法
- 実際にマロンをチェックしてみた結果と、獣医師に言われたこと
- 認知機能維持のために日常でできること(我が家の実践と失敗談つき)
犬の認知機能不全症候群とは?「年のせい」で片付けないために
犬も人と同じように、歳を重ねると脳の働きがゆるやかに衰えていきます。これ自体は自然な老化現象です。
ただし、その衰え方が通常の老化の範囲を超えて進んでしまう状態を「認知機能不全症候群(犬の認知症)」と呼びます。人間で言う認知症に近いイメージを持っていただくとわかりやすいと思います。
厄介なのは、犬は言葉で不調を訴えられないという点です。「最近物忘れが増えた」「昼と夜の感覚が逆転してきた」といったことを、犬自身が教えてくれるわけではありません。飼い主が日々の様子から変化に気づいてあげる必要があります。
また、認知機能の低下だと思っていたものが、実は別の病気(関節炎による動きの変化、視力や聴力の低下、内臓疾患など)が原因だった、というケースもあります。「歳だから仕方ない」と自己判断せず、気になる様子があれば早めに獣医師に相談することが重要です。
見逃しやすいサイン こんな様子はありませんか?
認知機能不全症候群でよく見られるとされる変化には、次のようなものがあります。
- 昼夜逆転(昼間よく眠り、夜に活動的になる)
- 夜鳴き
- 同じ場所をぐるぐる歩き回る
- 名前を呼んでも反応が鈍くなる
- トイレの失敗が増える
- 今まで覚えていた指示や習慣を忘れる
- 家族やこれまでの環境に対する反応の変化
こうしたリストを見ると「うちの子は当てはまらないから大丈夫」と思ってしまいがちですが、実際にはもっと地味な変化として現れることもあります。
セルフチェックをしてみて驚いたのが、マロンが以前からしていた「口をもぐもぐさせるような仕草」も、サインの一つとして挙げられていたことです。マロンは抜歯前からこの仕草があったので、「口周りの毛が絡まって気持ち悪いのかな」くらいにしか思っていませんでした。
このように、飼い主が「クセ」「性格」だと思い込んでいる仕草の中に、実はサインが隠れていることもあります。だからこそ、感覚だけで判断せず、チェックリストという客観的な指標を使うことに意味があるのだと感じました。
セルフチェックをやってみよう
気になる様子が少しでもある場合は、犬の認知機能不全症候群に関するセルフチェックツールを活用してみることをおすすめします。日常の様子に関するいくつかの項目に答えると、症状の程度を目安として把握できるものです。
こうしたセルフチェックは、
- 「気のせいかどうか」を客観視できる
- 経過を記録して、進行しているかどうかを追える
- 獣医師に相談する際に、具体的な様子を伝えやすくなる
というメリットがあります。一度きりで終わらせず、定期的に続けることで変化に早く気づけるのがポイントです。

マロンの結果は「軽度」でした。
獣医師に報告したところ、「今の段階ではまだ内服薬を始めるタイミングではないけれど、セルフチェックを継続して、軽度から中等度に進むようであれば投薬について相談しましょう」ということになりました。
認知機能不全症候群セルフチェック
「早めの介入」が大事な理由 獣医師に言われたこと
このとき獣医師さんに言われて印象に残っているのが、次の言葉です。
認知機能の低下が見られる場合、進行を遅らせる内服薬が存在するため、早い段階で気づいて介入できれば選択肢が広がる。逆に介入が遅れると症状がどんどん進み、お世話の負担も大きくなっていく、とのことでした。
「様子を見ているうちに手遅れになる」ことを避けるためにも、
- 気になる様子があればセルフチェックをする
- 結果を記録し、定期的に見直す
- 変化があれば早めに獣医師に相談する
という流れを習慣にしておくことが、結果的に愛犬にとっても飼い主にとっても負担の少ない選択になるのだと感じました。
認知機能を維持するためにできる3つのケア
セルフチェックのサイトでは、日常生活の中で取り入れられる認知機能維持のケアが紹介されていたので簡単にまとめました。
① 栄養状態をを整える
脳の働きと食事には深い関わりがあります。脳のエネルギー源になりやすい中鎖脂肪酸や、脳の健康維持に役立つとされるオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)、抗酸化成分(ビタミンE・C)、ビタミンB群などがしっかり摂れるフードを選びましょう。
② 刺激を与える
散歩・撫でる・マッサージをするなど物理的な刺激を与えたり、いつもとは違う匂いを嗅がせることも刺激になります。散歩や遊びはコミュニケーションにもなり、心の刺激にもなります。
③ 認知トレーニングを行う
知育トイでおやつを探させたり、フードを隠して探す遊びをしたりすることも、脳への刺激になります。シニア期は新しいことを覚えるスピードがゆっくりにはなりますが、覚えられなくなるわけではないと言われています。
わが家の実践レポート|正直、全部はできていません
ここからは、実際にマロンに対して行っていること・行けていないことを、正直に書いておきます。「完璧にできている家庭」ではないので、同じように悩んでいる方の参考になればと思います。
① 栄養管理 → エンタイスで摂取量アップ まずは「食べてもらうこと」自体が課題だったため、食欲増進剤のエンタイスを使いながら摂取量を確保しています。エンタイスを使い始めてからの詳しい経過は、こちらの記事にまとめています。
▶ エンタイス内服3週間、副作用と摂取量の変化を記録してみた
② 刺激 → マッサージはよくしている 撫でたりマッサージをしたりする時間は日常的に取れています。
コミュニケーション → 課題あり 日中は仕事で留守番の時間が長く、刺激としては正直少ないです。ただ、私が寝るとマロンも一緒に寝ますし、私が起きているときも寝ていることがあります。以前は行かなかった散歩に、2週間に1回程度は行くようになりました。留守番中の様子については、こちらの記事でも詳しく記録しています。
④ 認知トレーニング → できていません 遊びをほとんどせず、おもちゃにも興味を示さないため、この部分は正直手つかずです。
⑤ ココロへの刺激 → やってみたが迷いも 試しに旅行に連れて行ってみました。刺激としてはかなり強かったようで、疲れている様子が見られました。環境の変化がかえって逆効果だったのでは、と今も迷っています。
こうして書き出してみると、「日常の中に無理のない刺激を見出すこと」自体がなかなか難しいと感じています。5つのケアすべてを完璧にこなすことよりも、「できる範囲で少しずつ」「まずは気づくこと」の方が、今の私たちには現実的だと思っています。
まとめ 完璧を目指さず、まずは「気づく」ことから
犬の認知機能不全症候群は、犬自身が言葉で訴えられない分、飼い主の観察力が頼りになります。
- 「なんとなく気になる」を放置せず、セルフチェックをしてみる
- 結果を記録し、定期的に見直す
- 変化があれば早めに獣医師に相談する
この積み重ねが、愛犬にとってもいちばん負担の少ない選択につながるのだと、マロンと過ごす中で実感しています。
我が家では現在「軽度」の判定で、経過観察をしながらセルフチェックを続けています。中等度に進むようであれば内服薬の相談をする予定なので、その際はまた記事にしたいと思います。
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