7歳のトイプードル「マロン」をお迎えしました。食べムラが激しく、BCS1という痩せ型の犬です。
体重を増やすために試行錯誤してみましたが、あまり変化がないため去勢手術をすることに決めました。
去勢手術と同時に、私たちはもう一つの大きな決断をしました。それは、残っている歯のほとんどを抜く「抜歯手術」です。
2記事目でも触れましたが、マロンの口内環境は決して良好とは言えませんでした。体重を増やすための「攻めの看護」として、なぜ抜歯が必要だったのかをまとめます。
異常な口臭と、ある「気づき」
実を言うと、私はマロンを迎えた当初、彼の強い口臭を「犬ならこれくらい臭うのが普通なのかな」と思っていました。犬と暮らすのが初めてだった私にとって、それが比較対象のない基準だったのです。
しかし、ある日ペットショップで子犬を抱っこさせてもらった時、衝撃を受けました。
「……子犬の口って、全然臭くない!」
マロンの口臭は、決して「犬のニオイ」ではなく、「病的な腐敗臭」だったのだと気づかされた瞬間でした。
身体診察(視診・触診)でわかった惨状
改めてマロンの口内を観察しようとしましたが、彼は口元を触られるのを極端に嫌がりました。痛みや違和感があるのは明らかです。

獣医師にしっかり診てもらって以下の状態でした。
- 重度の歯石: 歯の形が見えないほど厚い歯石が付着。
- 動揺度(ぐらつき): 獣医師に触診してもらうと、4本とも動揺。
- 脱落: 部屋に落ちていた歯は、虫歯と歯石でボロボロの状態。
マロンに残っていたのは、噛み切るための「犬歯」4本ほど。触るのを嫌がるので正確にはわかりませんでした。
ドッグフードを食べるのに必要な奥歯は、すでに機能していないか、痛みの原因でしかありませんでした。
全身麻酔の回数 vs 手術の侵襲(ダメージ)
1.26kgの体に、去勢と抜歯を同時に行う。看護師として、術後の身体的侵襲(ダメージ)を心配し、獣医師に相談しました。
私の懸念は「2つの処置を一度に行う負担」でしたが、獣医師の視点はこうでした。 「歯周病菌が常に血管に入り込み、心臓や腎臓に悪影響を及ぼすリスクの方が圧倒的に高い」
また、超小型犬にとって最も避けたいのは「全身麻酔の回数を増やすこと」。去勢と同時に抜歯を済ませることで、麻酔の回数を1回に抑えるという方針で、私と獣医師の意見は一致しました。
抜歯を決断した「本当の理由」
最終的な決め手は、「歯がなくても犬は困らないが、痛みがあると食べられない」という事実を知ったことです。
犬の歯は主に「獲物を仕留め、引きちぎる」ためのもの。丸飲みできるドッグフードを食べる上では、グラグラの痛む歯があるよりも、いっそ無いほうが快適に食事ができるはずです。
「しっかり食べられる体を作る」という目標に向け、痛みの原因を物理的に除去する決断をしました。
【番外編】「え、入れ歯にするの?」
この抜歯の話を職場の同僚(看護師)にすると、高確率でこう聞かれました。 「えっ、抜いちゃって大丈夫?入れ歯にするの?」
実は私も、一瞬だけ獣医師に聞きそうになりました(笑)。しかし、犬の義歯なんて聞いたことがありません。犬は抜歯後、歯茎が硬くなってそのままの状態で元気に生きていくのです。
「人間とは違う」という当たり前のことに、改めて気づかされた出来事でした。



