7歳のトイプードル、名前は「マロン」。 体重はわずか1.26kg。 人の都合で住む環境が転々としてきたこの子を家族として迎え入れたのは、「この子のこれからの時間を、一番安心できる場所にしたい」と心から思ったからです。
犬を遠ざけていた私が「飼い主」になるまで
実は私、もともと犬と暮らす予定は人生設計に1ミリも入っていませんでした。
私の親が幼少期に野良犬に追いかけられたトラウマがあり、実家は徹底した「犬厳禁」の環境。私自身も犬と触れ合う機会がほとんどなく、ましてやペットショップで子犬を迎えるといった発想は、私にとって別世界の出来事でした。
そんな「犬との接点ゼロ」だった私の人生に、突然現れたのがマロンでした。
「この子はどう思っているんだろう」という問い
マロンは、もともと私のパートナーの家族が飼っていた犬です。 しかし、家族の生活環境の変化により、マロンは実家へ預けられることになりました。
パートナーと知り合った頃からマロンの存在は知っていましたが、環境が変わるたびにどこか寂しげに見えるその姿が、ずっと心のどこかに引っかかっていました。
「人の都合で居場所が変わる中で、マロンは今、どんな気持ちなんだろう?」
職業柄、言葉を話せない患者さんの状態を観察し、その背景を考えることが習慣になっています。マロンに対しても、気づけば「この子の本来の幸せは何だろう」とアセスメント(客観的な分析)を始めている自分がいました。
パートナーとの将来を考える中で、答えは自然と固まりました。 「一緒に暮らすなら、マロンも迎えたい」。 もちろん、7歳というシニア期の入り口である年齢や、自分の不規則な仕事との両立など、不安がなかったわけではありません。それでも、マロンの「これから」を支えたいという思いが勝ったのです。
看護師が本気で取り組んだ「お迎え準備」の3本柱
未経験だからこそ、そして命を預かる責任を知っているからこそ、準備には妥協しませんでした。主に取り組んだのは「環境」「知識」「物資」の3つです。
- 療養環境の整備(引っ越し)
- 徹底した疾患・生態の学習
- リスク管理に基づいた備品選び
1.療養環境の整備(引っ越し)
当時住んでいたのは、隣の生活音が漏れてくるような壁の薄い単身用アパート。とても犬が落ち着いて暮らせる環境ではありませんでした。マロンが安心して休息できるよう、遮音性とペット可の条件を満たす物件へ引っ越しを決めました。
2.徹底した疾患・生態の学習
トイプードルの特性(知能の高さ、毛のケアの重要性)はもちろん、今のマロンの課題である「偏食」についても徹底的に調べました。YouTubeや書籍を通じ、どうすれば食べてくれるのか、嗜好性と栄養バランスの妥協点を探る日々です。
3. リスク管理に基づいた備品選び
マロンの小さな体を守るため、以下の準備を整えました。
- 関節保護: 1.26kgという細い脚を守るため、全面に滑り止めマットを配置。
- 安全な居場所: 安心して眠れるケージの設置。
- 救急体制: 夜勤のある生活でもすぐ頼れる、近隣の動物病院のリサーチ。
- 栄養管理: 痩せ型のマロンに適した高カロリーで良質なフードの選定。
「家族」としての歩み、ここから
私にとってこのお迎えは、ある意味で「保護犬を迎えた」感覚に近いかもしれません。マロンにとっては、大好きなパートナーとまた一緒に暮らせるという救いがあるはずです。
暮らし始めて5か月。最初は戸惑いもありましたが、今は「迎えて本当によかった」と実感する瞬間が増えています。
このブログでは、1.26kg・BCS1(痩せ型)というハイリスクなマロンが、どうやって健康を取り戻していくのか、看護師としての視点も含めて記録していこうと思います。

